世界最大のドローン・カメラ技術企業であるDJIは17日、高度なソフトウェア無線(SDR)技術を搭載した新しい映像伝送システム「DJI SDR Transmission」を発表した。この新製品は中小規模の撮影クルー向けに設計され、安定性と耐干渉性に優れた映像伝送を実現する。
高性能なSDR技術による安定した映像伝送
DJI SDR Transmissionは、最新のSDR技術を活用し、複雑な撮影環境下でも安定した動画伝送を可能にする。最大20 Mbpsのビットレートと35ミリ秒の低遅延で1080p/60fpsのライブ映像を提供し、日本国内では最大2 kmまでの伝送が可能だ。
柔軟なモニタリングと遠隔制御機能
このシステムの特徴は、多様なモニタリング方法を提供することにある。3つのSDR信号と2つのWi-Fi信号の同時出力に対応し、複数のコラボレーターに高品質なモニタリング体験を提供する。Wi-Fi接続を利用することで、追加のレシーバーなしでコスト効果の高いデュアルチャンネルモニタリングが実現する。
さらに、DJI RSシリーズスタビライザーと組み合わせることで、カメラの遠隔制御機能も利用可能となる。Force Mobile、仮想ジョイスティック、ジンバル再センタリング機能に対応し、カメラのPTP制御も可能だ。これにより、撮影現場での柔軟な操作が可能になる。
効率的なワークフローと携帯性の向上
DJI SDR Transmissionは、他のDJI PRO製品との連携も強化されている。DJI Roninアプリと接続することで、アプリ内でのカメラインデックスのシームレスな切り替えが可能になる。また、SDI経由で主要なシネマカメラの調整も可能で、撮影チーム全体の効率的なワークフローを実現する。
本製品は、コンパクトで軽量な設計も特徴の一つだ。トランスミッターとレシーバーはそれぞれ145 gと軽量で、折りたたみ可能なアンテナにより持ち運びや収納が容易になっている。
価格と販売開始日
DJI SDR Transmissionは、7月17日午後10時(日本時間)より販売開始となる。DJIの公式オンラインストアやDJI正規販売店で購入可能だ。価格は、コンボセットが9万3280円、トランスミッターとレシーバー単体が5万2580円となっている。
この新製品の登場により、映像制作の現場に革新的なソリューションがもたらされることが期待される。SDR技術を活用した高品質な映像伝送と柔軟なモニタリング機能は、クリエイティブな表現の可能性を広げるだろう。
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