仮想通貨USDT（Tether/テザー）とは？購入方法や危険性も解説

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USDT（Tether/テザー）は、世界初のステーブルコインであり、米ドルの価格に連動するように設計されています。USDTは価格が安定しているため、他の仮想通貨の取引や保存に便利です。

多くの仮想通貨はボラティリティが高いため、米ドルや日本円などの法定通貨と比べて決済手段としての実用性に欠けるという課題があります。この問題を解決するために、法定通貨の価格に連動する「ステーブルコイン」が開発されました。

本記事では、ステーブルコインの代表格USDT（Tether/テザー）の基本情報や特徴、メリット・デメリット、過去の価格推移や購入方法について、初心者向けにわかりやすく解説します。

USDT（Tether/テザー）とは、どんな仮想通貨？

USDT（Tether/テザー）とは、ステーブルコインと呼ばれる仮想通貨の一種です。「テザーコイン」とも言われています。

ステーブルコインとは、その名の通り「価格の安定」を目指す仮想通貨。特にUSDTは米ドル（USD）に価値を連動させる（ペッグする）ことでその安定性を保っています。

これは、1USDTの価値が常に「1USDに等しいこと」を目指しているという意味です。ステーブルコインは、仮想通貨市場の価格変動を抑え、安定した取引を可能にします。

USDTは仮想通貨取引所での取引ペアとして広く利用されており、その信頼性と流動性の高さが特徴的です。新しいプレセール仮想通貨が次々と出てくる中で、USDTは比較的安心して取引ができる仮想通貨と言えます。

USDT（Tether/テザー）の特徴

USDT（Tether/テザー）の特徴として、大きく以下の5つが挙げられます。

1. 米ドルに連動するステーブルコインである
2. 時価総額が最も高いステーブルコインである
3. 複数のブロックチェーンを基盤にしている
4. 取引手数料が低い
5. 都市によっては法定通貨として認められている

①米ドルに連動するステーブルコインである

USDTとは、Tether Limited社が発行するアルトコインです。米ドルにペッグ（連動）されたステーブルコインで、1USDTが常に1米ドルの価値を維持するよう設計されています。イーサリアムの将来価格が大きく変動するなど、仮想通貨市場の価格変動が激しい中、USDTはその価値を一定に保つため、安全な資産の一部として利用されています。

②時価総額が最も高いステーブルコインである

USDTとは、最も時価総額が高いステーブルコインです。CoinMarketCapによると、USDTは他のステーブルコインと比較しても取引高が非常に多く、その信頼性が市場で高く評価されています。時価総額が高いことは、流動性の高さを示し、取引の安定性を支えています。

③複数のブロックチェーンを基盤にしている

USDTは、複数のブロックチェーンを基盤にして発行されています。USDTは下記のチェーンタイプで利用可能です。

• ビットコイン（BTC）チェーン
• イーサリアム（ETH）チェーン
• ソラナ（SOL）チェーン
• アバランチ（AVX）
• ポリゴン（MATIC）
• ニア（NEAR）
• トロン（TRX）チェーン
• イオス（EOS）チェーン
• アルゴランド（ALGO）チェーン
• ビットコインキャッシュ（BCH）チェーン

USDTはさまざまなチェーンタイプで利用することができ、柔軟性が高い点が特徴です。

④取引手数料が低い

USDTの取引手数料は比較的低く、多くの取引所で無料または低コストで取引が行えます。例えば、USDTを利用すれば、ビットコインの送金手数料が高騰している際も手数料を抑えることができます。

頻繁に取引を行うトレーダーにとって、コストを削減し利益を最大化する手段として非常に有効です。

⑤都市によっては法定通貨として認められている

USDTは、一部の都市で法定通貨として認められています。例えば、スイスのルガーノ市では、USDTが事実上の法定通貨として採用。ルガーノ市では、日常の買い物や税金の支払いにUSDTを使用することができるようになっており、今後もこうした動きが他の都市に広がる可能性があります。

USDT（Tether/テザー）のメリット

USDT（Tether/テザー）のメリットは、以下の3つです。

• 価格が安定している
• 取引が迅速で効率的である
• 広範な受け入れと利用可能性がある

価格の安定している

前項でも解説した通り、USDTの最大のメリットは、その価格の安定性です。米ドルにペッグされているため、他のミームコインなどの仮想通貨に比べて価格変動が少なく、安全な投資手段となります。

例えば、市場が急落する際にUSDTに資産を移すことで、損失を最小限に抑えることができます。この安定性は、特に大規模な投資家や機関投資家にとって非常に重要です。

取引が迅速で効率的である

USDTの取引は迅速で効率的です。これにより、トレーダーは市場の変動に迅速に対応することができます。例えば、価格が急騰する際に素早く資産を移動させることで、利益を最大化することが可能です。

また、複数のブロックチェーンを利用することで、ネットワークの混雑や遅延を避けることができます。

広範な受け入れと利用可能性がある

USDTは多くの仮想通貨取引所で受け入れられており、取引ペアとして広く利用されています。例えば、主要な取引所では、ビットコイン、イーサリアム、リップルなどとの取引が可能です。そのため、流動性が高く、簡単に取引することができます。

また、DeFiプラットフォームやレンディングサービスでもUSDTが利用されており、その応用範囲は広がっています。

USDT（Tether/テザー）のデメリットや危険性

USDT（Tether/テザー）には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットや危険性も存在します。

• 管理が中央集権的である
• 規制の不確実性がある
• 透明性の問題がある

管理が中央集権的である

USDTはTether社によって発行・管理されています。これは、USDTが完全に分散型の仮想通貨ではないことを意味し、中央集権的な管理の危険性を伴います。

例えば、Tether社が何らかの理由で経営問題や法的問題に直面した場合、USDTの価値や信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

規制の不確実性がある

仮想通貨市場はまだ規制が整っていない部分が多く、USDTもその影響を受ける可能性があります。特に各国の規制の変更により、USDTの利用が制限される危険性があります。

例えば、アメリカやヨーロッパなどの主要市場で厳しい規制が導入された場合、USDTの取引が制限され、流動性が低下する可能性があります。

透明性の問題がある

Tether社は監査報告書を公開していますが、その透明性については依然として懸念や危険性が残っています。一部の投資家は、発行されたUSDTが完全に米ドルで裏付けられているかどうかについて疑問を持っているのです。

例えば、過去にはTether社が裏付け資産の一部を他の資産に投資していたことが明らかになり、信頼性に疑問が投げかけられたこともありました。

USDT（Tether/テザー）の過去の価格推移

USDT（Tether/テザー）は価格の安定を保つため、価格変動が少ないことが特徴です。しかし、過去には下記のような重要な出来事がありました。

①2022年5月中旬

2022年5月中旬、テザーの価格が一時的に1ドルから乖離しました。この期間、Terra（LUNA）プロジェクトの崩壊とステーブルコイン市場全体への不安が広がったため、投資家の不安が高まりました。USDTの売り圧力が増し、価格が一時的に1ドルを下回る場面が見られました​。

②2023年3月上旬と3月中旬

2023年3月上旬と中旬には、米国のシリコンバレー銀行（SVB）、シグネチャーバンク、シルバーゲートバンクの破綻が発生しました。これにより、USDCとDAIがデペッグ（価値乖離）し、USDTも影響を受けました。

特に3月中旬には、SVBに3.3億ドルの準備金が預けられていたため、USDCが大幅にデペッグし、その影響でUSDTも一時的に1ドルから乖離しました​。

③2023年8月

2023年8月には、仮想通貨市場全体のボラティリティの高まりと主要仮想通貨の価格急落に伴い、USDTの価格が再び1ドルから乖離しました。特にビットコインの急落が市場全体に波及し、投資家がリスク回避のために資産を移動させた結果、USDTの価格が一時的に1ドルを下回る場面が見られました。

上記の出来事は、USDTがその価格安定性を維持している裏付けとなっており、USDTは依然として多くの投資家にとって信頼できるステーブルコインとして認識されています。2024年以降も仮想通貨市場の今後に連動して利用価値が高まるでしょう。

USDT（Tether/テザー）のユースケース

USDT（Tether/テザー）は仮想通貨の億り人を目指せるようなコインではありませんが、その安定性と使いやすさから、いくつかのユースケースに非常に適しています。以下は、USDTの基本的なユースケースになります。

1. 投資家にとっての避難資産
2. 国際送金
3. 日常の決済手段
4. DeFiプラットフォームでの利用
5. ポートフォリオの安定要素として

①投資家にとっての避難資産

USDTは価格が安定しているため、ドージコインが今後大きく価格変動するときなど、他の仮想通貨市場が不安定な時に避難先として利用するのにおすすめです。投資家は市場の急な下落時にUSDTに資産を移すことで、リスクを軽減することができます​。

②国際送金

国際送金にもUSDTは非常に便利です。従来の銀行送金に比べて、手数料が低く、処理時間も短いです。特に頻繁に国際間で資金移動を行うビジネスにとっては、迅速かつ効率的な送金手段となります。

③日常の決済手段

USDTは価格の安定性から、日常の決済手段としても適しています。オンラインおよびオフラインの店舗での支払いに利用することで、法定通貨に近い感覚で仮想通貨を使用することができます​。

④DeFiプラットフォームでの利用

USDTは多くのDeFi（分散型金融）プラットフォームで利用されています。ステーキング、レンディング、流動性提供などで安定したリターンを得ることができます。DeFiでの運用を考えているユーザーにとって、USDTは安定した収益を追求するための優れた選択肢です。

⑤ポートフォリオの安定要素として

投資ポートフォリオにおいて、USDTは安定資産としての役割を果たします。市場のボラティリティから資産を守り、次の投資機会を待つ間に安全に資金を保管するために利用できます。

USDTはその特性から、安定性を求める投資家やビジネスユーザー、日常的な決済手段として利用したい人々におすすめの仮想通貨です。

USDT（Tether/テザー）を購入できる取引所のおすすめ3選

USDT（Tether/テザー）は多くの仮想通貨取引所で購入することができます。以下におすすめの取引所を紹介します。

1. HTX
2. MEXC
3. Bybit

USDTにおすすめの取引所①：HTX

HTX（旧称：Huobi）は、アジアを中心に人気のある取引所で、ICO仮想通貨など幅広く取り扱っています。HTXの最大の特徴は、その取引手数料の低さ。取引量に応じてさらに割引が適用されるため、頻繁に取引を行うユーザーにとって非常に魅力的です。

セキュリティ面でも、HTXは強力な対策を講じており、ユーザー資産の安全性を確保しています。例えば、2段階認証やコールドウォレットの利用により、ハッキングのリスクを最小限に抑えています。

HTXは多言語サポートを提供しており、日本語を含む複数の言語でのカスタマーサポートが利用可能です。日本のユーザーも安心して取引を行うことができます。

USDTにおすすめの取引所②：MEXC

MEXCは急成長中の仮想通貨取引所で、新しい仮想通貨など豊富なコインの取り扱いと迅速な取引処理が特徴です。MEXCの取引手数料は非常に低く設定されており、さまざまなキャンペーンやプロモーションでさらに手数料を削減することが可能です。

セキュリティ面では、MEXCは高度な技術を採用しており、ユーザーの資産を保護するための強力な対策を講じています。2段階認証やマルチシグネチャウォレットを使用することで、不正アクセスのリスクを大幅に軽減しています。

MEXCは使いやすいインターフェースと多機能な取引ツールを提供しています。ビットコインに投資したい初心者だけでなく柴犬コインなどミームコインに投資したい経験豊富なトレーダーまで幅広いユーザーに対応しています。

USDTにおすすめの取引所③：Bybit

Bybitは、2018年に設立されたシンガポール拠点の仮想通貨取引所です。Web3.0仮想通貨も取り扱っており、特にデリバティブ取引（先物取引）で知られています。

Bybitのプラットフォームは直感的で使いやすく、初心者からプロのトレーダーまで幅広いユーザーに対応しています。シンプルなデザインにより、誰でも簡単に取引を開始することができます。

さらに、Bybitは24時間365日のカスタマーサポートを提供しており、日本語を含む多言語での対応が可能です。ユーザーの質問や問題に迅速に対応しており、サポート体制も充実しています。

USDT（Tether/テザー）を日本円にする方法/換金方法

続いて、USDT（Tether/テザー）を日本円にする方法を解説します。以下の手順で換金が可能です。

• STEP1：取引所にログインする
• STEP2：USDTを売却する
• STEP3：日本円を引き出す
• STEP4：銀行口座への反映を待つ

STEP1：取引所にログインする

まず、USDTを保有している取引所のウェブサイト、またはモバイルアプリにログインします。ログインには、ユーザー名とパスワード、場合によっては二段階認証（2FA）が必要です。

STEP2：USDTを売却する

次に、USDTを売却して日本円に交換します。取引所によって手順は若干異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

• 取引ペアを選択：取引所の「マーケット」セクションで、USDT/JPYペアを選択します。このペアを選ぶことで、USDTを日本円に交換する取引を行います。
• 注文の種類を選ぶ：USDTを売却する際、成行注文と指値注文のいずれかを選択します。成行注文は現在の市場価格で即時に取引が成立し、指値注文は指定した価格に達したときに取引が成立します。
• 注文を出す：売却するUSDTの数量を入力し、注文を出します。注文が成立すると、日本円が取引所のアカウントに反映されます。

STEP3：日本円を引き出す

USDTを売却して日本円を得た後、その日本円を銀行口座に引き出します。以下の手順で進めます。

• 出金リクエストを作成：取引所の「出金」セクションに移動し、出金リクエストを作成します。ここで、引き出したい金額と銀行口座情報を入力します。
• 銀行口座情報の入力：銀行名、支店名、口座番号、口座名義などの必要な情報を正確に入力します。一部の取引所では、銀行口座の登録が事前に必要です。
• 出金手続きを確認：出金リクエストを確認し、出金手続きを完了します。出金手続きには手数料がかかる場合があります。出金手数料は取引所によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

STEP4：銀行口座への反映を待つ

出金手続きが完了すると、取引所から銀行口座に日本円が送金されます。このプロセスには通常1～3営業日かかりますが、取引所や銀行の処理速度によって異なる場合があります。以下は、主要な取引所の出金手数料と処理時間の例です。

• HTX：出金手数料は0.3％～0.5％程度。処理時間は通常1～3営業日。
• MEXC：出金手数料は取引所のポリシーによって異なりますが、一般的に低めに設定されています。処理時間は通常1～2営業日。
• Bybit：出金手数料は通常0.0005 BTC（ビットコインの取引の場合）ですが、日本円出金の場合の手数料は取引所のポリシーによります。処理時間は通常1～3営業日。

以上が、USDTを日本円にする方法をまとめた手順です。

USDT（Tether/テザー）を日本円に換金する際の注意点

USDTを日本円に換金する際は、以下3つのことに注意しましょう。

• KYCの完了：多くの取引所では、出金手続きを行うために本人確認（KYC）が完了している必要があります。KYCが未完了の場合、出金手続きが制限されることがあります。
• セキュリティ：出金手続きを行う際は、必ず二段階認証（2FA）を有効にし、セキュリティを強化することをお勧めします。不正アクセスを防ぐために、取引所のセキュリティ対策を確認してください。
• 取引履歴の確認：出金手続き後は、取引履歴を確認し、出金が正しく処理されたかどうかを確認します。不明な点や問題が発生した場合は、取引所のカスタマーサポートに連絡して解決を図りましょう。

安全かつ効率的に資産を管理するために、取引所のガイドラインに従い、必要な手続きを正確に行ってください。

USDT（Tether/テザー）に関するよくある質問